顧客の不安を取り除くことは大事

営業

年始からツイッターでいろいろ面白いやり取りを見て、営業は顧客の不安を取り除くことも大きな役割だなあと再認識しました。

ことの顛末をものすごく端折って書くと、

  1. オンラインサロンにて顧客である会員がオーナーのプロフィールに対して疑義を問う
  2. オーナーのひとりが意味不明な回答をして、悪口とともにその会員をサロンに悪影響を及ぼす不穏な人間と決めつけて締め出す
  3. 別の会員が「それは悪手だ」だとアドバイスする
  4. その会員もブロックしてしまう

ということがあったわけです。

組織に不満、不安のある人は会員であっても容赦なく締め出すというやり方は悪質な新興宗教のそれと同じですが、特に僕に利害があるわけじゃないので糾弾しようとかそういう意図はありません。

ただ営業的な視点からはこの一連の話はとても面白いなあと思います。僕の思う限りではこのオーナーのとった対応は悪手のなかの悪手、いちばんやってはいけない対応でした。

営業をしているとよくわかるのですが、お客さんというのは常にお金を出すという行為に対して不安を抱えています。

自分の決断は間違っていないか、この内容にこれだけのお金をかける価値はあるか、他の選択肢はないか。そんな不安をいつも持っているもので、これだけ世の中に情報が溢れているとなおさらです。

もちろん圧倒的な商品力があり、アフターサービスも他社よりも優れているなら、お客さんも安心してその商品やサービスを使い続けるでしょう。でもこの自由市場の中では商品やサービスは常に陳腐化の波にさらされていますので、どんなに良いものでも、すぐに新しいものが出てきて横並びになってしまうんですね。

そうなるとお客さんは新しい方に目移りしてしまうし、その時に対応した営業マンや広告に騙されたと思うかもしれません。もしかすると次は他社製品やサービスを買うという事になるかもしれませんね。

僕のようなSIの営業にとって他社に乗り換えられるというのは屈辱でもあり死活問題でもありますので、我々営業マンは必死になってお客さんをつなぎとめるわけです。

「いつもお客さんがいちばん大事な顧客です。」「会社の利益は二の次で頑張ります。」「何でもおっしゃってください。」

そんなセリフを営業マンに言われたことがある人も多いのではないでしょうか。

僕は営業マンはお客さんのことを最後まで騙してあげる義務があると思っています。
これは何も嘘をついたり実績を盛ったりして人を騙せと言ってるのではありません。

「この会社に頼んで良かった、この営業に依頼して良かった。自分のことをいちばんに考えてくれている。ここに任せておけば安心だ」とお客さんに思わせるべきだということです。
実際のところ、自社の製品やサービスが世界最高で唯一無二のものであることはあり得ません。
だけど、そのお客さんにとってはそうであると思わせるための努力はし続けないといけないと思うのです。少なくともその顧客の現状に見合った中では、最良の選択肢であると。そしてそれを裏付けるものとして、これまでの実績や誠意のある対応、納得感のある回答などがあるわけで、お客さんは自分の選択が良いものであったと納得し、不安を取り除くことができるのです。

そして、その役目を担っているのは僕のような営業職であったり、アフターマーケットのCS部門だったりするのです。かのサロンオーナーのとった行動は、不安を持つユーザーを組織の不穏分子としてシャットアウトする事で余計に他のメンバーを不安にさせるという行為に他ならないという意味で、きわめて悪手だと言えるのです。

最近は営業職はAIの発達によって不要になるなんて言われていますが、ビジネスは最終的には人と人が意思を通いあわせて行うものであり、僕の肌感覚としてはまだまだそんなことはないんじゃないかなと思いますし、顧客接点を重視しないビジネスや組織運営は遅かれ早かれ消えていくのではないですかね。

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